障害者手帳を持っている私が、結婚をするということに違和感がありました。誰にも相談できず、数年悩んでいました。ここで少し、診断から、結婚へ至るまでの出来事をいくつかの角度からお話したいと思います。
1つは、経済的な事情から。
障害年金は審査落ちで受給できなかった私に毎月入ってくるお金は、作業所のお給料だけです。
規定で決まっているようで、1日に4時間の勤務です。
最低賃金が全国でも低い地域に住んでいることもあり、月6万円ほどの収入です。病院への受診でお休みしたり、遅刻などあれば、作業所のお給料はもっと減ってしまいます。
食費、水道光熱費、年金、社会保険・・・、日用品の購入もしなければなりません。服や靴が不必要ですし、年に1度は髪を切ります。
今は実家に住んでいて援助が得られていても、いずれ親は死にます。
きょうだいには既に家族がおり、まさか何か役割を担うことがあるなどとは考えもしないようで。
一人で生きている自分が、想像できませんでした。
今もそうです。
きっと私以外の多くの人が、覚悟などないままに死別したり生き別れたりして、一人で生活する状況に放り出されるのだと思います。
一時期はとても思いつめていました。
精神的な病気で療養している状況の中で、「十分なお金を得なければならない」というプレッシャーは抱えきれないくらい重いものでした。
「みんな頑張っている」「誰でも悩んでいる」「無理している」そういった声はきっとあると思うのです。何とかこらえて日々生きている。誰だってそうだと。誰かに頼りたくても頼れずにいる人もきっとたくさんいるのだと思います。
ここから私は、自立するために、いくつかの試みを始めます。
自立にはいくつかの側面があって経済的自立、精神的自立、生活的(身辺)自立、社会的自立、どれも必要なものです。
私には、すべて欠けていることを思い知らされ、いずれ一人になった時のことを想定して、いくつかのことを始めました。それは約半年前のことです。
難しさにぶつかりながら、私は生活の改善と、収入の道を切り開こうと試み始めます。
障害を持ちながら仕事をするというのは、簡単とはいえません。
私は、障害の診断を受けていない20代の頃、正社員で働き続けることが出来ず、パートタイムになり、このままではいけないと結婚の道を探り、深く考えないまま結婚したことがあります。あえて言えば、若かったから、出来ないことが多くても結婚相手を探すことが出来たというのが実際のところでしょう。仕事がなくても結婚できたのは女性だからだと思います。
仕事ができないから、結婚する。一人では生きていけないから結婚する。そういった考えもあると思います。
自分にできることが少ないと、当然誰かに負担がかかることになり、イーブンではない関係は長くは続きません。
結婚は、お世話をしてもらうものではなく、お互いを助け合うものです。
結婚に、自立は必要だったのだと思います。
一人の自立した人間として結婚しなければ、どこかで行き詰る。
それが私の経験で得た教訓のようなものです。
経済的に自立するためにまずは働く。
障害の診断からここに至るまでに2,3年かかったのですが、それでも一歩踏み出す地盤を固めるために、必要な時間でした。
最初は様々な心理的抵抗を経験しながら、A型作業所からスタートします。
