精神的、経済的自立なしに、発達障害者の結婚は成り立たない。どちらかに負担がかかりすぎる関係は、そのうち破綻するだろう。

発達障害者の離婚率は約80%。一緒にいるための工夫。

30代半ばで発達障害の診断を受けた私には、離婚歴があります。まだ、自分の障害に気づかなかった頃、ある記事を読んでハッとしたことを思い出します。きっかけは、友人からの「旦那さん、アスペルガーじゃない?」という言葉でした。
そのとき私はどう答えたかを覚えていませんが、頭の隅に残っていたのでしょう。
離婚問題に発展する出来事が突然起きて、実家で別居しているときのこと。『アスペルガー症候群の夫を持つ妻はADHDでないか確認したほうがいい』といった旨の内容でした。

電気が流れるような、衝撃でした。
そして思い出す、前夫の言葉。「〇〇ちゃん、片づけられない女じゃない?」と言われたことがあったのです。それは、有名な本のタイトル。ADHDの女性に関する本でした。
そのときは何も深刻に感じず、すぐに忘れてしまったのですが・・・

それから1年もたたず、私は診断を受けることになります。
今思えば、結婚に対する覚悟など何もなく、仕事のできなさから逃げたくて、パッと結婚してしまったのでした。

そして、診断を受け、定期的に病院を受診し、毎日の服薬をしながら合う薬をみてもらいながら、同時に障害者手帳を取得、障害者として支援を受けながら、作業所で働き自立の道を探りました。

離婚をして、診断を受け、それから約5年。
私の時間は、止まったままのような気がしますが、確実に年をとりました。
また、結婚しようと思うまで、時間がかかりました。
もう、無理に結婚したいとは全く思えず、不安ばかりがよぎりました。
そして、それは今もなくなってはいないのです。

相手は診断を受けていない人ですが、障害が障害でないかをはっきりと分けられるわけもなく、同じ脳の特性をもつ者に親和性を感じるということは実感しているため、おそらく、何か反応し合うものがあるのでしょう。

無くて七癖というように、誰でも何かしらのことは抱えていて、おそらく彼も何かそれらしいものがあるのだろうということは事前に理解しておきたいところで、自分が弱者として助けてもらうべきだ、などとは思っていません。

そんな関係ではうまくいかないことは、彼から言われてきましたし、身をもって経験してきたことです。
精神的、経済的自立をした二人しか、うまくいかない。それは確かだと思います。
彼と同じくらいに稼ぐことは出来ていませんが、何かあっても大丈夫なように、経済的な自立の道は今後さらに拡大させていくつもりでいます。

障害年金の審査落ちしてしまい、自力で稼ぐしかない私からすると、お金の課題はあるのですが、これも目標をもって挑めることだと考えて、一歩一歩取り組んでいきます。

彼からは、「何もしないのは良くない」と言われており、仕事をするのは必須ですし、私自身、仕事をしていない状態の自責の念は凄まじいものだったので、何かしら仕事を持つのが精神衛生上も良いようです。

現状、A型作業所で1日4時間、週5日。最低賃金で、休みを取るときもありますから、だいたい月5万円程度。彼からは「それで充分」と言われています。
今は無理をし過ぎず、辞めろと言われない限りは今のA型にいたいと思っています。

診断を受けた時、鬱がひどく動けず、2年ほど療養しました。
そのときは、働けるようになるか不安で不安で仕方ありませんでした。どんな仕事があるのかも分かりませんでしたし、A型作業所に見学に行くたびに、家で泣いていました。
ショックが大きかったのです。

今はそれなりに安定してきて、毎日健康に暮らせています。
絶望していても、状況が変わることもあるのかもしれません。

今後、状況は変わっていくことがあるかもしれませんが、そのときはまた臨機応変に対応できるような気力・体力をつけておきたいものです。

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