スモールステップで始める障害者の同棲生活。Never too lateを信じたい。周回遅れのスタートでも、まだ希望があるのなら。

生まれ育った家族以外の人と、一緒に住む練習をする。

発達障害の支援の基本の一つに、スモールステップ、というものがあります。
一歩ずつ、一歩ずつ。徐々に、環境に慣れていくことは、私自身、当事者として心得ておきたいことの一つです。

すべて、障害者であることを基本に考えているわけではありません。
自閉症スペクトラム障害は、これまでに研究されている障害であって、多くの手立てが存在することを、利用したい、取り入れられるものは取り入れて、できるだけ日々の生活を楽にしたい、と考えています。

今日、初めて新居で泊まり、そのまま作業所の作業をしました。
今は夕方で、終業後の時間を過ごしています。
彼は仕事でまだ帰っていません。
帰宅は遅いときは20時を過ぎます。
この時間をどう過ごすか。
大切な課題の一つです。

今は、新居の生活用品や家具など、まだ完全でないため、イレギュラーな動きが多くありますが、今後はルーティーンを組んでいきたいところです。
当面の目標は、この生活ルーティーンの確立のために、試行錯誤することです。
体調を崩さないように、ゆっくりとやっていくこと。

この新生活の変化に関しては、家族と友人以外には報告していません。
病院の先生には、少しお話ししましたが、具体的な時期などについては話す機会がありませんでした。

この相談のタイミングや相談をする相手、内容については、障害のある当事者としては非常に迷うところがあります。
実際に困った状態になってから相談するよりも、事前に知らせておいたほうがいいのかもしれません。ただ、今後どうなるか分からないこと、あいまいなことについては 相談していいものか、迷うところです。

実際、今、具体的に何か悩みを抱えているわけでもなく、まだ、報告する段階にあるわけでもないから、言わないでおこうという判断です。
人それぞれ考えが違う部分ですし、正解はありませんが、こういった現状でいいのか、迷うところではあります。

これは、定型発達の人でもおそらく同じで、私も診断を受ける前、仕事をしていた時は、いつ退職の話をするか、結婚のことを伝えるか等、悩んだものでした。

障害者であっても恋愛をしますし、結婚、出産もするわけで、別にいけないことではないのですが、どうしてなのか、誰かの許可を得なければいけないような気がするのかもしれません。「言っていない罪悪感」というか、なんというか、ふとした隙間にスッと入り込んで、しばらく胸がギュッとなる、かすかな苦しみのようなものを抱えています。

反応が怖いのでしょうね、その反応から逃れたくて、言わないことを選んでいる、それだけです。
祖父母にも話していない、彼のこと。
きっと、もう40になる孫が結婚するだろうなんて、思っていないでしょうから。
今ちょうど、15歳ほど下のいとこたちの結婚と出産が始まったころです。
私は世代が全然違って、そんな話が起こるだなんて誰も思っていないでしょう、つまずいて転んだままそのままになっている感は否めません。

仕方ないのです。
今がタイミングだったので。
それぞれのタイミングがあって、別にいいのです。
私は私のタイミングで、ちょっとした迷いや悩みを抱えながら、スモールステップで新しい生活を始めていきます。



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